2023-05-11

●講師になりたい人のための実践講座、実際に講師をやってみるの回。10分間で自分の発表をする。自分は「タロットリーディングを数字に助けてもらおう!」というタイトルで、数字の関係でカードを読み解くテクニックを紹介。

なんだかこれで「あー終わった!」みたいな気持ちになっているけれど、ここからこれを実現させる方向に進めなければ。

講座の流れをどうやって構成するか、について勉強になった。導入、まとめ、今日はこれだけ持ち帰って!

●届いた本。

これは難しい本だと思った。初心者のために書かれている様子だが、初心者が実際に「なにをすればいいのか」はほとんど具体的に書かれない。制限や限定はなにもない、愚者のような状態を目指しているが、ジャーナルプロンプト(自分に問いかけるための質問)もかなり難易度が高いと感じた。

とにかく「なんの規範からも自由に!」を目指すあまり具体的なガイドラインや手がかりがない。自分語り的なものもまえがきを除いてほぼなく、特定のデッキには縛られないと宣言するため絵について説明する手も使えない。ステレオタイプ的価値観からの自由を優先するため、カード解説は抽象度の高いものになる。神話なども引かれない、それは古い価値観に基づいたものだからだろう。例え話もない、そういうことをして特定のイメージに囚われることを避けているようだ。だから「具体的にどういうこと?」というとっかかりがなく、すごくツルツルして掴みどころがない。

なにかの技法や道具を紹介するときも、それを使うか使わないか自由だし、どういう使い方をするかも限定しないので、可能性の大きさと自由だけを提示して結果どう使うのかよくわからない、ということが多い。

今までクイアのタロット本は、「私はこういう体験をした、私はこう考える、感じる」と主観の姿勢を重視するものが多かった。「いくら客観的に見えても、主観を交えないタロット解説はありえない。だから私は主観的にこの本を書く」とはっきり記されていた。しかしこの本はそういうことがない。あくまで客観的な観点が重視されている。私の主観で染まってほしくない、というメッセージが伝わってくるかのよう。取り除くべき価値観を取り除いたあと、じゃあそれに替わるものはなに?が明示されていないようにも思う。漂白されて、真っ白になった印象。この念の入った漂白っぷりは驚くべき仕事(執筆上の禁じ手の数々を自らに課しているとしか思えない!)だが、それが評価されるべきなのか、そうではないのか、なんとも判断がつかない。「愚者」というテーマに沿った真っ白感だとは思うが、初心者におすすめするかと言われると、しないかな・・・。

普段なら目次マトリクスに追記するときはここまで読まないけど、この本はそこらへんが気になったのでカード解説数枚分+カード解説以外のページすべてを一気に読んでしまった。しばらく「この本は一体なんだろう・・・」と頭を悩ますことになるかも。


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