乙女座25度「公共建築の前の半旗」

半旗とは、要人が亡くなったとき弔意を示すための国旗の掲揚方法です。旗を旗竿の途中まで下げて掲げます。死後も名声を保存すべきという社会認識を得るほど、公共奉仕や重大な公的責任を成し遂げた人物の存在が示唆されています。

24度では人々の罪を洗い流す生贄ともされる子羊が、25度ではその貢献を讚える死後の風景が描かれている、とも受け取れます。

21度バスケットボールチームで集団努力と訓練が、22度紋章で集団統一のための責任と特権が示されました。23度ライオン使いでその力や地位やプライドを克服しコントロールできるようになり、24度では能力や地位を超える自己犠牲を厭わない純真さがありました。25度ではそうした流れを経て、乙女座の力が極まっています。

スプレッド

1.半旗

このカードは、死後も保存されるべき価値があると証明された努力を示します。逆位置だったときはまだ証明されていないが、その可能性がある潜在的な努力と読むこともできます。

リーディング結果

1.半旗:ペンタ7逆

逆位置だったので、まだ証明されていない努力と読めます。死後も保存される可能性のある、経済的・社会的な発展のための不屈の努力が潜在しています。

タロット対応からの検証

サビアンシンボルとタロットの対応表を作ってあるので、それに従って21〜25度の5度組を見直してみたいと思います(この表がどのように作られたかはまた別の記事で)。

この5度組はこのような対応になります。

21度 ペンタ10/ペンタ5
22度 ペンタ10/ペンタ6
23度 ペンタ10/ペンタ7・ソード8
24度 ペンタ10/ソード9
25度 ペンタ10/ソード10

ペンタ10は共通しており、豊かさ、社会、技術の完成と成功がこのグループの大きな目的です。「/」の後ろにあるカードはその目的を果たすための、各度数なりの手段と読んでいきます。

21度「女子バスケットボールチーム」ペンタ10/ペンタ5

全体の社会(ペンタ10)を半分に割って(ペンタ5)二つのチームで戦う。5という数字はぶつかり合いますが、10の中に5が二つあるので、社会を半分に割って争わせることが社会全体の完成に結びつく。両方とも土の元素であるペンタ、身体を使った運動(ケガの可能性もある)でそれが行われ、集団社会と技術の完成が目指されます。

22度「宝石で豊かに飾られた王室の紋章」ペンタ10/ペンタ6

王家が特権を持つのは、国民への責務を果たすからである、という取引関係(ペンタ6)。ウェイト=スミス版のペンタ6の絵からノブレス・オブリージュという言葉も思い浮かびます。それがあるからこそ王家は豊かさの極地にあり、社会全体も成り立っている。

23度「ライオン使いは彼のスキルとキャラクターを披露する」ペンタ10/ペンタ7・ソード8

7という数字は向上を目指しますが、同時に上下の関係性も含まれます。支配されるライオン側と支配するライオン使い側です。ここでもペンタの身体性が、ライオンの身体能力として表現されています。まだ完璧ではないが完璧を目指す訓練、そのために思考や行動の型(ソード8)が使われている。ウェイト=スミス版でソード8を取り囲む剣も、ライオンを閉じこめる檻のようです。こうしたことがペンタ10という目的のために行われているなら、向上し思考の型をはめていくことで技術や社会の完成がある。

24度「メアリーと彼女の小さな子羊」ペンタ10/ソード9

ここは意外なカードでしたが、キリスト教やユダヤ教との関連を考えると納得が行きます。子羊は全ての人々(ペンタ10)の罪を清めるために生贄にされます。ソード10には殉教という意味もありますが、9はそれに向けた一歩手前です。また、ソード8で思考が一回固まり、9はその固定観念から脱出しますが、それが「純真さ、無邪気さ」につながっているとも考えられます。こうした自己犠牲を厭わない純真さによって、社会は一丸となります。

25度「公共建築の前の半旗」ペンタ10/ソード10

小アルカナの10は、そのスートの価値のためなら他のなにものを犠牲にしても構わない(自分の命でさえ)、という究極の態度です。社会(ペンタ10)のためなら何を犠牲にしても構わない信念や観念(ソード10)がある。

と、いう具合にサビアンシンボルを対応するタロットカードから読み解いていくのもなかなか面白いです。サビアンに対する発見もあり、またタロットに対する新たな発見も生まれます。

みなさんのカード

本日もトライありがとうございました!

20度

21度

22度

乙女座前半

吉田結妃さんが乙女座前半のタロットワークを記事にまとめてくださっています!

https://note.com/yukiyoshida/n/n37c057c638fe


サビアンシンボルからタロットのスプレッドやワークを作っています。「そのサビアンシンボルの意味を探る」のではなく、「その度数におけるその人の発達の状態」を読み解く取り組みです。しかし個人の発達状態を通じてサビアンシンボルの元型を透かし見ることもできるかもしれません。
参考にしているのはサビアン研究会での学びと、ルディア「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」、ジョーンズ「The Sabian Symbol In Astrology」。

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