蠍座8度「月明かりを浴びる穏やかな湖」

サビアンシンボルにタロットを使って二つのアプローチをしています。一つはサビアンのイメージからスプレッドを作り、カードを引いてリーディングしてみること。これは「その度数におけるその人の発達状態」を読み解く取り組みです。もう一つは度数に対応するカードからサビアンを考察してみることです(対応表はこちら)。

スプレッド

1.月明り
2.湖

穏やかな湖面には波がなく、月もはっきりと反射して写ります。

月明かりのカードは、宇宙の原理や力です。

湖はそれを反射する穏やかな心です。

横位置のカードは逆位置を取りません。

リーディング結果

1.月明り:カップ7
2.湖:節制

カップ7の月明かり、宇宙的な強い感受性の原理。象徴的な結びつきをつなぎつづける。

それを反射する節制の湖。調和や自然体によって、宇宙の感受性を反射させる。

節制のカードは昨日の7度でも登場しており、逆位置でダイバーでした。不調和を作っても深く潜水していたダイバーは、ここでは穏やかに調和して月を反射しています。

これは自分の冥王星の度数でした。蠍座5度以降、カードがしりとりのように、正位置・逆位置入れ替わりながら続けて登場しています。ここは海、川、深海、湖と、水場のシンボルが続いているところです。

解説の要約

ルディア:月明かりを浴びる穏やかな湖

このイメージはロマンチックさを喚起しますが、二人の人間の自我が、本質的で超越的な感情のインスピレーションに委ねられていることを強調した方がよいでしょう。愛は恋人たちを通して表現されます。本当の愛とは、宇宙の未分化な原理や力であり、それを反射しようとする人間の魂に集中します。人間は偉業を成し遂げようと奮闘しますが、本当に重要な瞬間は天上の光を反射させる穏やかな心を示すことだけです。あらゆる努力を超越した平和の必要性、より高いインスピレーションへの静かな開放感。キーワードは「休止、無活動」。

ジョーンズ:湖に映る月

人間が内面的・心理的な調整の問題に直面したときにいつでも呼び出せる魔法です。すべてのロマンスにつながる感情交流により、心は外からの強迫観念から解放され、内面的で永続的な方向性を獲得できます。ここでは、より深い経験をしたいという切望に見合った自然現象が形作られる傾向があります。人生と自然の危機に対する絶対的支配の発揮。キーワードは「信頼関係」。

二人とも「ロマンス」について触れていますが、ルディアの方は一応「それよりも」と言って、超越的な感情、宇宙の原理としての愛を語っています。

タロット対応

この度数のタロット対応はカップ5(目的)/ペンタ4・ソード5(手段)。ドデカテモリーは山羊座から水瓶座へ。

目的カードは引き続きカップ5、心の揺さぶり、感情的ショック、これまでの感受性の更新のためにインパクトを与えること。

その手段となるカードはここでは2枚、ペンタ4とソード5です。ペンタ4は物質的・経済的・社会的なエネルギーの安定化と秩序、パターン化。これは湖の水面の穏やかさによって表現されているようです。

ソード5は知性や意見をぶつける、議論、批評精神に関係します。カップ5と同じ5、カップの方がこれまでの「感受性」を更新せよというショックを与えるとしたら、ソード5はこれまでの「考え方」を更新せよというショックです。

物質的には安定しているが、知性的な揺さぶりもある、そのせめぎ合いによってさらに感情的揺さぶりを起こそうとする度数です。

この度数に太陽を持つ人物

報道写真家 一ノ瀬泰造

戦場カメラマンとしてバングラデシュ、ベトナム、カンボジアなどの激戦区を駆け抜け、「地雷を踏んだらサヨウナラ」という言葉を残してアンコールワットで処刑されました。

写真という静的なビジュアル、物質的な定着に、報道という批評精神を込め、人の心を震わせる活動、と読めます。

また彼の遺品、銃弾で穴の空いたニコンFのフィルムを30年越しに現像するプロジェクトにも、ペンタ4とソード5のせめぎ合いによるカップ5的な効果を感じられました。

一ノ瀬泰造の遺したもの 〜 いま蘇る封印された最後のフィルム 〜

みなさんのカード

本日もトライありがとうございました!

5度

6度

7度

参考:サビアン研究会Dane Rudhyar「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」Marc Edmund Jones「The Sabian Symbol In Astrology」アンソニー・ルイス「完全版タロット事典」

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