天秤座26度「鷲と大きな白い鳩がお互いに変化する」

この「サビアンシンボルのタロットワーク」では、サビアンにタロットを使って二つのアプローチをしています。一つはサビアンのビジュアルイメージからスプレッドを作り、実際にカードを引いてリーディングしてみること。これは「その度数におけるその人の発達状態」を読み解く取り組みです。もう一つはその度数に対応するカードから、サビアンシンボルを考察してみることです(対応表はこちらにあります)。

スプレッド

1.鷲
2.鳩

鷲は意思を、鳩は愛を示します。それぞれ異なるものですが、一つの目的のために働く相互作用があります。

リーディング結果

1.鷲:審判逆
2.鳩:戦車

審判逆の鷲、世の中がひっくり返ってしまうのを防ぐ意思。

戦車の鳩、積極的に攻め込もうという突進的な愛。

これらは異質なもの同士なので、互いに相手のカードの要素を持っていない状態と読んでみます。つまり、鷲は戦車的な積極性も持たない、踏み込まず変えないという意思。鳩は審判正位置的な変革の意図を持ってガンガン行く愛。

しかしこの2つは相互作用によって同じ目的のために働いている。前進する/しない、変革する/しない、という二極化は最終的には相殺されていくのか・・・前進するもしないも同じ、変革するもしないも同じ、という境地に達したところでなんらかの目的が達成されるのかもしれません。

解説の要約

ルディア:鷲と大きな白い鳩がお互いに変化する

これは一種の陰・陽の相互作用です。鷹は霊的意思、鳩は愛の原理を象徴し、それらはまったく異なるものですが、相互作用により一つの目的のために働きます。人格の中の二極化された力を利用し、新たな枠組みの中で高次の活動にアプローチできます。意識とは魂の二極化されたエネルギーであり、二重性を超えて作用します。キーワードは「熟達者」。

ジョーンズ:鷲と大きな白い鳩が互いに入れ替わる 

創造力や目的を持ったアプローチの中で、個人の並外れた受容能力が明らかになります。目の前の状況に対する責任と、出来事を理想に沿って形作れないときのフラストレーションのリスクが含まれています。非常に効果的な自己鍛錬。人間は自分自身の真の利益のために行動する限り、自分の運命の主人です。キーワードは「熟達者」。

タロット対応

この度数のタロット対応はソード4(目的)/ワンド5(手段)。ドデカテモリーは獅子座です。

目的カードは引き続きソード4です。知的安定、秩序、パターン化が目指されています。

その目的を果たすための手段となるカードはワンド5。ワンドは情熱や意欲、尊厳などを示すスートです。5はぶつかり合い、衝突やバトルの数字。ワンド5は情熱や意欲が火花を散らす、尊厳をかけた戦いのカードです。鷲と鳩は尊厳をかけて戦い合っている。ルディアによれば鷲は「意思」、鳩は「愛」。意思と愛との尊厳をかけた戦い。二極化の話も出てきますが、ワンド5的な二極化とは、2つの極が別々に存在し対峙しているという静的な二極化ではなく、「光と闇の戦い」のような相手を乗り越えようとする激突のイメージです。ジョーンズの「出来事を理想に沿って形作れないときのフラストレーションのリスク」も、ある理想が別の理想と葛藤を起こしたときのリスクと受け取れます。

しかしそうした戦いは、ソード4の知的安定のために行われるものです。5は爆発力がありますが、4は沈静化。「鎮静化のために爆発させる」という不思議なエネルギーの働き方があります。ある意味では過剰さ、別の意味では爆発させても沈静化できるという余裕の現れ。または「爆発させ戦わせることでやっと答えが得られる」タイプの問題の取り扱い。

この度数に太陽がある人物に、作家の坂口安吾がいます。代表作の「桜の森の満開の下」や「夜長姫と耳男」では、対極にある登場人物同士の(異界的とも言える相手との)関係と、その後に訪れる静寂のような結末が描かれています。『その作風には独特の不思議な魅力があり、狂気じみた爆発的性格と風が吹き通っている「がらんどう」のような風格の稀有な作家だといわれている(wikipedia)』。「狂気じみた爆発的性格」をワンド5、「風が吹き通っているがらんどうのような風格」をソード4と見立てることもできそうです。

リーディング結果の見直し

そういう視点でもう一度、自分の引いたカードを見直してみると、審判逆「変革を拒む意思」と戦車「突進する愛」の間に爆発や衝突が起きるが、その爆発によって鎮静化が起こり、思考が安定化する、と考えられます。


参考:サビアン研究会Dane Rudhyar「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」Marc Edmund Jones「The Sabian Symbol In Astrology」アンソニー・ルイス「完全版タロット事典」Paul Huson「Mystical Origins of the Tarot」「ピカトリクス」