天秤座25度「一枚の紅葉を見た巡礼者に、生と死の神秘が突然明かされる」

この「サビアンシンボルのタロットワーク」では、サビアンにタロットを使って二つのアプローチをしています。一つはサビアンのビジュアルイメージからスプレッドを作り、実際にカードを引いてリーディングしてみること。これは「その度数におけるその人の発達状態」を読み解く取り組みです。もう一つはその度数に対応するカードから、サビアンシンボルを考察してみることです(対応表はこちらにあります)。

解説の要約

ルディア:一枚の紅葉を見た巡礼者に、生と死の神秘が突然明かされる

 心は自然のプロセスの驚異に開かれており、単なる事実を目撃するだけでなく、外見を突き抜けて普遍的生命のリズムを感じ取ります。それを見通す能力を持つ探求者は、「どこか他の場所」を探し続けることなく、霊、生命、神はいつでも「今、ここ」にいると気付くでしょう。現象が隠しつつも明らかにしようとする現実を感知できる個人にとって、世界は幻想ではありません。あらゆる経験の中に超越的・宇宙的な意味を発見する力です。

ジョーンズ:一枚の紅葉が象徴する知らせ

人間の知性とは、奉仕や福祉のための効率的手段への感受性です。想像力や内的経験における正真正銘の才覚があります。世界と個人を継続的な相互依存関係の中で捉え、人生のあらゆる側面がお互いに貢献し合っていることを理解する能力。自発的な適応力と、究極の目標や意味に対する揺るぎない本能の忠実さです。キーワードは「如才なさ、機転」。

タロット対応

この度数のタロット対応はソード4/カップ4です。ドデカテモリーは蟹座。

どのサインでも1、17、25度では目的と手段のカードの数字が一致します。1度では同じスートで同じ数字、17と25度は別々のスートで同じ数字です。ここでは4の数字が2つになります。

目的カードは引き続きソード4、知性の安定や秩序、パターン化が目指されます。

手段となるのはカップ4。4の安定化、秩序化は、カップの感情、共感、シンボリックなつながりにおいて起こります。シンプルに考えると、気持ちが安定することにより、思考も安定する度数といえます。しかしそれぞれのカードの絵からは、「突然何かが明かされる」という印象はあまり感じられません。むしろ「もうそんなことはわかってるし、興味ないし」と言っているようなイメージ。

明かされるとしたら、それは4の数字の普遍的な意味でしょう。例えばサビアンでも、あるサインの25度と他のサインの25度を並べたとき、そこにサインの特徴を超越した類似性が見えてくることがあります。それはすべての25度に共通する普遍性の発見です。ソード4とカップ4の出会いでも、スートの違いを超えた4という数字の普遍性が発見されるのではないでしょうか。これがルディアの「外見を突き抜けて普遍的生命のリズムを感じ取り」「超越的・宇宙的な意味を発見する力」とつながってきそうです。

4の普遍的な意味とは、安定させる、維持し継続させる、パターン化させる、秩序立てる、規則正しく働く、といったものです。テーブルや椅子の足が大抵4本なのは、それが一番安定する数字だからです。それぞれの足が他の足と同じ力で座面や天板を支えると、最も安定した状態になり、どれか一本が欠けるとバランスを崩し倒れます。こうした4本の足の関係は、ジョーンズの「継続的な相互依存関係」「お互いに貢献し合っていることを理解」などとも関連します。

また、天秤座17度(ソード3/ワンド3)のときに、「同じ数字でスートが違う場合は目的と手段がはっきり別れておらず、それらが混ざり合っているのでは」と書きました。これは2つのスートが、ある状況においてすり替わったり、変換されたりする可能性があるということです。ソード的に対処しなければならないものにカップで対応できたり、その逆もできたり、というモードチェンジが自由自在になるのが25度かもしれません。そしてその切替が起きる度に、4という数字の普遍性が発見されるのです。そうした普遍性の発見は「どんないびつなことをやっていてもそこには4の普遍性を込めることができる」という力としても発揮されるでしょう(ジョーンズのキーワード「如才なさ、機転」)。

この度数に太陽を持つ人物に哲学者のアンリ・ベルクソンがいます。ベルクソンは真段のない意識の流れを、意識がずっと現在に居続ける「持続」という言葉で表し、またその持続を打破することによって「直観」が起きると言いました。持続とは4的な言葉であり、ずっと現在に居続けるとはルディアが言っている「今、ここ」に関わります。ここまでのサビアンシンボルの検証からベルクソンの「直観」を考えると、スートのモードチェンジによって直観(紅葉から神秘を受け取る)が起きる、と当てはめてみることもできます。(参考:松岡正剛の千夜千冊「アンリ・ベルクソン 自由と時間」

感情的安定から知的安定を作るが、同時に安定や秩序の普遍性を発見し、感情と知性のモードチェンジを行いながら、なにをやってもそこに普遍性を込めることができる度数、と言えそうです。

スプレッド

1.巡礼者
2.紅葉

巡礼者は、外見をつきぬけて見抜く能力です。

紅葉は、現象が隠しつつも明らかにする現実です。

リーディング結果

1.巡礼者:魔術師
2.紅葉:ペンタエース逆

魔術師の巡礼者、意思を持ち、技術の力で外見をつきぬけて見抜く能力。

ペンタエース逆の紅葉。物質的エネルギーの逆位置、落ち葉になってこれから冬になっていく、という様子が見抜かれているようです。

ペンタエースは正位置で22度噴水として登場していました。あのとき湧き上がった水は、冬になり一度止まるのかもしれません。

魔術師はずいぶん久しぶりの登場です。獅子座10度で陽光に照らされた朝露でした。噴水が止まっても自分が朝露だから水分的には困らないのかな?

みなさんのカード

本日もトライありがとうございました!

22度

23度

24度

参考:サビアン研究会Dane Rudhyar「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」Marc Edmund Jones「The Sabian Symbol In Astrology」アンソニー・ルイス「完全版タロット事典」Paul Huson「Mystical Origins of the Tarot」「ピカトリクス」

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TAZN

タロット占いのご相談を受ける傍ら、タロットを使った魔術的ワークや自己探求のためのスプレッドを開発。 リーディングのコーチとしても活動。実践・研究の場「TAZNのタロットサークル」主催。 ゾンビタロットの使い手。 (TAZNのワークをイベント・配信などで使用したい場合はご一報ください)