●明日、タロットサークルでリーディング練習会。メンバーさんからの質問を端に発し、急遽決定。急遽のわりには希望の方が多く、午前と午後の2回になった。
タロットワークブック読書会ではみんなで集まってリーディングしてみることはやってきたが、以外とサークルで練習会スタイルはやってこなかった。
GWだからかもしれないが、これだけ希望者多いならもっとやってみてもいいかもしれない。
●ディグニティの技法の一種で「カレンタル・ディグニティ Quarental Dignitie」というものを思いついた。通常、ディグニティはカード同士、またはカードとポジション、あるいはカードと質問の間の相性関係で、ポジティブな影響を与えあうか、ネガティブな影響かを測る。カレンタル・ディグニティは相談者(Quarent)とカードとの関係性。あるカードが相談者の意図や願いと共通するか、反発するかで影響を測る。
例えば、スプレッドに「あなたの隠された意志」といったポジションがあるとする。ここに良さげなカード(例えばカップ10)が出たとしても、相談者自身の意志がカップ10的なものとは反しているなら、それはネガティブな影響を与えるカードと読まれる。逆に悪そうなカード(ソード10など)が出ても、それが相談者の意志と一致しているなら、ポジティブな影響を与えるカードとなる。
これはカードの展開を見ただけでは判断できない、相談者との対話の中で見極めていくディグニティになる。セルフリーディングなら、自分の願いとカードを照らし合わせながら読み進める。
カレンタル・ディグニティを意識して読むことにより、相談者の意図を確認する作業が自然と立ち上がる。これは、ディグニティが良くても悪くても、相談者にとってよい影響を与えるだろう(自分の意図や願望を確認し、はっきりさせることができる)。
●こんなのわざわざ「カレンタル・ディグニティ」なんて大層な技法名を付けなくてもいい。しかし、タロットリーディングというのは結局のところ「なにかとなにかの関係性」を取り扱う作業に集約される、という確認のためにディグニティの一種に取りまとめたい。
「なにかとなにかの関係性」とは、例えば、現実の事象とカードの関係。カードとリーダーの関係、リーダーと相談者の関係、相談者とカードの関係。ディグニティとしてのカード同士の関係、スプレッドとカードの関係。質問とカードの関係、質問とスプレッドの関係、リーダーの直感やイマジネーションとカードの関係。
さらに細かく言えば、カードを構成する要素同士の関係でもある。カードを構成する要素とは、例えば絵、名称、番号、対応させられた意味のキーワード、他体系との対応(占星術、カバラ、数秘術、天使の名、ヘブライ文字、四元素、神話、元型、etc…)などのこと。これらの要素の組み合わせは流動的で、すべてのことが完全一致することはない。デッキによって絵は変わる。ウェイト=スミスでは正義は11だがマルセイユでは8であるように、名前と数字もケースによって一致しない。時代やデッキによってカードの名前もどんどん変わってきたので、それも一定ではない。スートと四元素の照応関係も、いくつかの種類があり、正解はない。占星術の対応の種類なんかもいくらでもある。どれも「これが一般的」とされるものはあっても、それが絶対ではない。
さらに構成要素の種類も常に一定ではない。占星術やカバラとの対応は、そのシステムを採用するかしないかで、カードに関係させることもでき、無関係にしておくこともできる。絵をなくし、番号や名称だけ書かれたカードを使うこともできる。数字を書かないことも、名称を書かないこともできる。ある意味のキーワードをカードに関係させることもでき、しないこともできる。
そのときどきで、「ある名前とある数字とある絵とある四元素対応がこのように組み合わさった」という関係性の集約がタロットのデッキやシステムを構成している。火に対応されたワンドと土に対応されたワンドでは意味が変わってくるが、しかし単純に「火」「土」の意味がそのまま立ち上がるのではなく、「火+ワンド」「土+ワンド」の組み合わせが意味を生む。土を割り当てられたワンドと、土を割り当てられたコインも、まったく同じではない。スートと四元素との関係により、その場で意味が合成されてくる。
タロットの各カードに固定された実体はなにもない。ただ各構成要素の組み合わせ、その関係性によってタロットはそのときどきの実体を持つようになる。
さらにそこへリーダーや相談者との関係が入り込む。展開されたカード同士の関係も生まれる。そうした関係性の集合から総体的にカードの解釈が立ち上がってくる。