天秤座19度「潜伏しているギャング団」

この「サビアンシンボルのタロットワーク」では、サビアンにタロットを使って二つのアプローチをしています。一つはサビアンのビジュアルイメージからスプレッドを作り、実際にカードを引いてリーディングしてみること。これは「その度数におけるその人の発達状態」を読み解く取り組みです。もう一つはその度数に対応するカードから、サビアンシンボルを考察してみることです(対応表はこちらにあります)。

解説の要約

ルディア:潜伏しているギャング団

このシンボルの表現が適切かは疑問です。ロビン・フッドと彼の一団や、ロシアの初期ボルシェビキが革命資金を調達するため銀行を襲ったことも思い出されます。アンバランスな階級社会や不調和な特権への異議は、個人のダイナミックな資質と変容への意思を明らかにします。しかし秩序への抗議は、個人一人の抵抗では実を結ばず、集団を組織しなければ効果がありません。

ジョーンズ:潜伏しているギャング団

人間の精神と魂の自由が行使され、その人の普段の衝動や態度から逸脱します。強調されているのはすべての人の不穏な能力であり、反社会的、自己倒錯的な行為、想像力豊かだが知的ではない可能性への関与です。自発性や挑戦的な視点が必要です。キーワードは「分岐、逸脱、相違 (DIVERGENCE)」。

ジョーンズは「反社会的」と言ってしまっていますが、ルディアはそれに「適切かは疑問」と問いかけています。当然のことですが、この度数に天体を持つ人が反社会的になったり犯罪者になったりする、みたいな考え方はしない方がいいでしょう。「ギャング」と表現されてしまったことの真意は、タロット対応を見ていくとわかると思います。

タロット対応

この度数のタロット対応はソード3/ペンタ6です。

引き続き、ソード3の知的発展が目的になります。ソードは思考や、ものを見るための視点、意見であり、3はそれが増えていくという数字です。ある一つの物事も、別の角度から見ると別の意味が浮かび上がってくる、それはもともとの意味に相反する意見でもあるかもしれない。そうした「別見解」がどんどん増えるため、ソード3は批判精神につながっていくカードでもあります。ソードは感情面(カップの領域)に配慮しないため、ウェイト=スミス版の絵のように批判受けた側の「ハートブレイク」な結果になる可能性もありますが、それはあくまで副産物であり、いろいろな角度の見解や知識を増やすことがこのカードの目的です。

手段となるペンタ6は物質的な調和やバランス感覚、フェアなギブアンドテイクを示します。絵は貧しい人にお金を分け与える裕福な人の絵。天秤を持っているため、バランス感覚を重視していることがわかります。ルディアが名を上げたロビン・フッドやボルシェビキは、貧しい人を救うために、裕福な人たち、特権を持った人たちからお金を動かし、物質的・経済的な格差をなくしフェアなバランスを取ろうとするために活動している、と考えることができます。

ここでのギャング団とは私腹を肥やすために強奪行為をするのではなく、いわゆる義賊のように社会的平等を作り出すために活動している。そしてその活動を通じて、批判精神や物事を見る視点の角度を増やそうとしている度数、と読み解けます。物質的・経済的・社会的な調和を使って知性を発展させていくのであれば、ギャング団ではない表現の仕方もあるかもしれません。

目的/手段のカードの関係は、「手段のカードをモチーフとして、目的のカードを表現しようとしている」と考えることもできそうです。ここではペンタ6的な物質的・経済的調和をモチーフとして、ソード3の批判精神や見解を育てようとしている、というように。

スプレッド

1.ギャング団

このカードは、不調和な社会特権に対する集団抗議を示します。

リーディング結果

1.ギャング団:ワンド10逆

「これ以上、我々に重荷を背負わせるな!」という集団抗議。みんなで無理しないようにしようぜ! そして無理させてくる社会には反発しようぜ!

みなさんのカード

本日もトライありがとうございました!

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参考:サビアン研究会、ルディア「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」、ジョーンズ「The Sabian Symbol In Astrology」

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